320年前に建てられたお墓の拓本取りをしました。またお墓のリフォーム工事のご紹介をいたします。

2022年6月26日 こんにちは!石昭石材店の杉田です。梅雨入りして数日が経ちましたが暑くて蒸せますね~。エアコンに頼りきっている私ですが皆さまはいかがですか?自然の風で過ごせる所は少ないと思いますが、中にはそういった所もあるんでしょうね!夏が涼しくて、冬が暖かい所があればと少々弱音ぎみです。(そんなところは無い!)さて、そんな中、京都市内のお寺で拓本取りに励みました。暑さと、蚊との戦いでした。

地の石の風化が進み、コケが付着して、文字の読み取りが難しくなってきましたので、拓本にチャレンジしました。「元禄八年」ですので西暦1695年の彫刻がなされています。今から320年ほど前の石碑ですね。わずかに読みづらい文字も数文字はございましたが、ほぼほぼ読み取ることが出来るようになりました。

こちらは花崗岩の彫刻ですが、拓本でなければ文字の読み取り不能状態です。

こちらも白系花崗岩でしょう。拓本で何とか読み取り可能です。それでも7文字読み取りできませんでした。3基分拓本取りに要した時間は2日。風と、にわか雨に阻まれましたが、何とかできました。一字一字読み取りしていきますと、お墓を建てられた方の思いや、この石碑を作った石工さん、字を彫刻した石工さんの思いが伝わってくるように感じました。さて、次に紹介するものは、先日依頼を受けたお墓のお花立て石の横穴明けの工事です。前回のブログに紹介できませんでしたが、この工事も依頼の多い工事です。この工事は、お花立ての花を挿す縦穴ではなく、その縦穴に水が溜まらないようにするために、縦穴の底位置に横穴を設ける工事です。縦穴に水が溜まることで、石の変色を招いたり、冬の温度低下で凍結による石材の割れや欠けが発生してしまいます。このことを予防するために、縦穴に水が溜まらないように横穴(水抜き穴)を設けるのです。

ご覧の通り、真ん中よりやや上部中央に小さな穴がご確認頂けると思います。この横穴から水が排出され、縦穴に水が溜まることを防ぐことが出来ます。

こちらの写真は、水が溜まり、変色している状態です。

上の写真は、ヒビが入り、すでに破損してしまっている状態です。

こちらの花立も破損して、地面に石材の一部が落下してしまっています。

こちらは、石材の色が変色している状態です。

こちらも変色が発生している状態です。穴の中に水が常時溜まり、石材に変色がでたり、サビが発生したりします。また、冬になり、外気の温度低下で、中の水が凍り、体積膨張することで、石材が割れることもたびたびございます。大切なお墓がこのようになる前に、このような工事を予防的に行うことをお勧めいたします。